2016年3月31日木曜日

【コラム】2015年度を振り返りと、これからについて

いつもスマイリーの活動を応援いただきありがとうございます。

スマイリー代表の片木です。

2006年9月1日に設立したスマイリーですが、無事に9年目の年度を終わろうとしています。

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スマイリーは今年度も世話人会の企画で、東京・大阪でおしゃべり会を開催しました。
いつも20人を超える参加者が集まる東京、小規模だけどおしゃべりが止まらないアットホームな大阪。
どちらも個性的で、そして温かい集まりなので次年度も続けていきたいと思います。
9月にはリレーフォーライフ芦屋に参加。スマイリーは毎年芦屋に参加しているのですが、大阪のABCラジオ「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です!」の三代澤さん、スタッフのみなさんにお声がけいただいて嬉しかったです!

3月の大阪、名古屋では外部の参加者もオッケーとして開催しましたが、がんの種類を越えて悩みや近況を話し合ういい集まりになったと思います。

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卵巣がんの啓発と勉強に関しては

5月に世界卵巣がんデーと東京卵巣がんフォーラム2015を開催しました。
世界卵巣がんデーでは、カナダの世界卵巣がんデー本部のご厚意と、JAMTさんのお力添えにより、英語のサイトを日本語に翻訳させていただくことができました。
世界卵巣がんデーでは世界中の卵巣がん患者会が、共通の問題をあげて啓発していく取り組みをしています。
そのつながりから、海外の患者会から「Miho、日本の臨床試験の情報を見たけれど患者としてどう思う?」なんてメールが届いたり、私も海外の患者会に悩みを話したりいい交流ができています。
また、桜井なおみさんから提供いただいた「がんと婚姻、出産について」の論文も、日本の患者さんだけでなく、海外の患者会からも反響がありました。


東京卵巣がんフォーラム2015は四ツ谷駅前の主婦会館をお借りして満員での開催でした。
一般参加者のみなさまの席もそれなりの数を確保していたつもりでしたが、まさかの初日で予約枠が埋まってしまうという嬉しい悲鳴。
当日もほとんどお休みがなく満席・・・どころかすし詰めという状況でしたが、とても活発な会になりました。

12月にはスマイリーの活動を飛び出し、グローバソンジャパン2015を開催しました。
皇居の周辺を埼玉医大国際医療センターの藤原先生、CRCのみなさん、患者さん、ご家族が楽しく歩いている姿が印象的でした。
また勉強会にはさまざまな
がんの患者さんが参加くださり、婦人科がんの臨床試験を知ること、そして臨床試験をどうしていったらいいかなど活発な議論となりました。
勉強会の講師は「若手の医師のみなさん」そして「CRCさん」というフレッシュなメンバーでしたが、だからこそのいわゆる「学会で良く見る小難しい講義」ではなく、「日ごろ診察室で先生方が患者さんにお話してる目線での講義」となり、より患者さんに身近な勉強会になったのではないかと思います。

3月は埼玉医大国際医療センター藤原先生をお招きして大阪でのおしゃべり会。「ここだけの話」もたくさん飛び出しましたが、患者さんの疑問に対して「実は医師としてはこう考えるんですよ」という患者の思い、そして医療者の思いを語り合うことで「あぁ、診察室で私の主治医がこういう説明をしたのはそういう理由だったのね!」と目からウロコが落ちたなんて患者さんもいて、少人数でじっくり話し合えてよかったという感想をいただきました。

また名古屋では長寿医療センターでCRCをされている佐藤弥生さんを講師にお招きして、治験について学ぶ勉強会をしました。スキルス胃がんの患者会「希望の会」との共催でしたが、遠くは鹿児島からの参加者もおられました。まだ患者になって日が浅い患者さんもおられましたが、臨床試験はなじみがない言葉、でももしかしたらある日自分がその被験者になる可能性があるのかもしれない、その時に何を考えればいいのだろう・・・という心が前になる勉強会になったと思います。

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また今年は7月の婦人科腫瘍学会、9月のCRCと臨床試験のあり方を考える会議、10月の日本癌治療学会、12月のがん患者学会に参加しました。

9月のCRCと臨床試験のあり方を考える会議では『正しい知識を身につけよう!臨床研究・治験の新たなルール』という教育セッションで座長をさせていただき、厚生労働省の臨床試験への取り組みや、新しく改正された指針や制度についての解説がされたのですが、患者が医療者の学びの場で座長をするというとても責任のあるお仕事をさせていただき感謝しています。

また10月の日本癌治療学会では慈恵医大のCRC深井しのぶさんとスマイリーが協力して研究を行なった「卵巣がん患者の治療に関する意思決定.」が口頭発表に選ばれました。医師の学会での研究発表ということでどうなるかと心配でしたが、深井さんの堂々とした発表は素晴らしく、また医師のみなさんがとても熱心に耳を傾けてくださったことが嬉しかったです。


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また、さまざまな医療系の団体、学校、患者会等にお招きいただき講演の機会をいただきました。

そして、たくさんの患者さんと日本のさまざまな場所でお会いして相談を受けたり、また電話相談もたくさんいただきました。

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2016年度の活動予定も着々と決まってきています。

4月16日から希望の会さんと協力して毎月1回程度、しゃべり場を開催します。
これまでのそれぞれの会だけのおしゃべり会とは別に、申し込み不要で、ふらっと立ち寄れる居場所作りを目指しての活動です。会員以外の方も参加可能です。

5月8日の世界卵巣がんデーに、4年連続の参加をします。
昨年は世界31カ国以上から107の組織が参加したこのイベントですが、今年は更に輪が広がればいいなと思います。

5月28日には東京卵巣がんフォーラム2016を開催します。
今年は遺伝性のがんについての講演もあり、新たな学びの機会となりそうです!

また2011年に活動の5周年としてとりまとめた「卵巣がん患者家族アンケート」を10年目の今年、再び同じ質問表で調査しました!
2011年との比較も含め、発表を東京卵巣がんフォーラムで行ないます!
そこから患者さんの悩みの変化や、これからの卵巣がん治療に対する提言をできたらいいなと考えています!

もちろん、スマイリーのおしゃべり会も、東京・大阪の世話人中心で開催します。

そしてまだここでは言えない新しい取り組みの準備も始まっています。
楽しみにしていてくださいね!

2016年もスマイリーは「私たちの活動すべては卵巣がん患者のために」のポリシーを忘れないよう、また「だいじょうぶ、ひとりじゃないよ」と患者さんに寄り添える活動を続けていきますので引き続き応援をよろしくお願いいたします!!