2017年9月13日水曜日

【お知らせ】9月30日開催のグローバソン参加者募集、出演アーティスト決定!

いつもスマイリーの活動の応援ありがとうございます。
スマイリーの片木です。

婦人科がんの臨床試験を理解し応援しようと活動を始めたグローバソン。
世界中の婦人科がんに関わる医療者や患者が啓発の活動をしています。

今年のテーマは音楽。

第1弾は9月16日埼玉医科大学国際医療センターホワイエでコンサートがあります。
http://www.international.saitama-med.ac.jp/news/detail.php?id=147

第2弾として9月30日六本木駅徒歩1分の小さな会場で音楽を楽しみながら臨床試験を学ぶ勉強会を開催します。
http://globeathon2015.e-ryouiku.net/
出演アーティストも続々決定しています。


  • 埼玉医科大学国際医療センターの藤原先生と医学生の佐藤さんのファゴットのデュエット
  • AYA世代のがんを経験し岡山や東京でライブ活動をされている Hullさん
  • 臨床試験を支えるCRCさんなどで結成された地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)コーラス
  • そして、テノール歌手の芹澤佳通さんの歌

そして臨床試験の勉強では、トークショー形式で会場の皆さんにも質問をいただきながら臨床試験を学びたいと思います。

  • もし新薬の治験に入って欲しいと言われたら?
  • 臨床試験って治療の選択肢になるのかしら?
  • 同意する前に何を確認すればいいのかしら?
  • 臨床試験の情報ってどこで調べるの?

といった、基本のきとなる話を中心に最新の新薬の情報まで(?)楽しくお話ししましょう。

がん種は問いません!立場(患者、家族、医療者、メディア、企業)も問いません!

参加したいと思ってくださる方はお申し込みください。
ホームページが縦に長くて恐縮ですが、最下部にお申し込みの方法があります。
http://globeathon2015.e-ryouiku.net/

2017年9月4日月曜日

【お知らせ】リレーフォーライフ芦屋に参加しました

いつもスマイリーの活動を応援いただきありがとうございます。
代表の片木です。

9月2日〜3日に芦屋市で開催されたリレーフォーライフ芦屋にスマイリーは参加しました。
代表の私は名古屋で開催された学会のために参加できませんでしたが、関西世話人3名、東京世話人1名などが参加させていただきました。

芦屋は毎年雨が降るのですが、今年は快晴!
直前に大切な仲間の参加が叶わなくなり、悲しみもある中ではありましたがこれまでの仲間の思いを繋いで歩いてくれました。


ABC三代澤アナウンサーに今年も一緒に写真を撮っていただきました。
三代澤さんありがとうございます!

来年もスマイリーは参加します。
歩かなくてもおしゃべりでも大歓迎ですので来年また会場で皆さんお会いしましょう。

2017年8月31日木曜日

【お知らせ】9月1日〜3日、勉強会、リレー芦屋連絡について

スマイリー事務局です。

9月1日の名古屋での勉強会、個別相談対応
9月2日、3日はリレーフォーライフ芦屋に参加
(代表の片木は名古屋で開催される学会のプログラム委員のため)
事務局への電話が繋がりにくい時間帯が発生すると思います。
 
9月1日名古屋勉強会にご参加のみなさまへ
もし会場がわからない場合、14時45分以降に事務局携帯080-7038-9750にお電話ください。
参加キャンセルの場合はご連絡は不要です。


9月2日、3日リレーフォーライフ芦屋参加希望のみなさまへ
http://relayforlife.jp/ashiya/
会場に直接お越しください。
この横断幕を目印に当日参加しているスマイリーの会員にお声かけください。
関西世話人の3人が参加しています。
とても心あったかい仲間ですよ!
またリレーフォーライフ芦屋では「かたり亭」として初参加の方でもお気持ちを分かち合いお話しできるブースもあります。
そちらもぜひご利用ください。

【お知らせ】9月24日鹿児島でお話をさせていただきます

いつもスマイリーの応援ありがとうございます。
代表の片木です。

9月24日(日)鹿児島県薬剤師会のみなさまにお招きいただき講演する機会をいただきました。
http://www.kayaku.jp/event.html#joseinokenkou
 
「卵巣がんになって、知って欲しい5つのこと」というお題でお話させていただきます。
託児もついておりますので、ぜひたくさんの人に参加いただけたら嬉しいです。
鹿児島近辺にお知り合いの方がおられたらぜひご紹介いただけましたら幸いです。
貴重な機会をくださった鹿児島県薬剤師会のみなさまに心から感謝します。

2017年8月27日日曜日

【お知らせ】9月1日名古屋 臨床試験勉強会まだまだ募集中です。

いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。
代表の片木です。

卵巣がんでは色々な新薬の治験、また既存の治療と新規治療を比較する臨床試験などが活発に行われています。
がん対策推進基本法では希少がん、難治がん、小児がんなどの研究の推進も書き込まれたため今後色々ながんで研究が活発になるでしょう。
でも、自分がその研究の対象に選ばられたら?研究に入りたくなったら?みなさんはどうしたらいいかわかりますか?
そこでスマイリーはがん種を問わず、患者さん、ご家族向けに勉強会をします。
 
「臨床試験(治験)から患者さんに治療が届くまで」 
日時:9月1日 15時から18時
場所:桑山ビル4階D会議室
http://kuwayama-kaigishitsu.com/access.html
名古屋駅徒歩3分
参加者23名まで募集。
参加費2500円(お水1本ついてます:飲食物の持ち込み禁止)
勉強とおしゃべりと半々くらいでできたらいいなと思っています。
 
なお個人の主催勉強会なので申し込み方法ですが私の個人アドレス
miho.katagi0913@gmail.com
あてに「名古屋勉強会参加希望」と明記し、参加者のお名前と参加人数を記して送ってください。

2017年8月26日土曜日

【お知らせ】オラパリブの承認に対する問い合わせが増えています。

いつもお世話になっております。
スマイリーの片木です。

2017年8月8日にアストラゼネカ社はBRCA1/2遺伝子の変異のある再発卵巣がん患者さんのための治療薬「オラパリブ」の承認申請をしたと発表しています。
http://www.sankei.com/west/news/170808/wst1708080036-n1.html
 
それに伴い、患者さんやご家族からすでに「いつから投与できるのか」といった問い合わせがきています。
現在、厚生労働省の薬事審査期間も短縮されておりその平均値から「見込み」はわかりますが、実際はそのとおりとは言えません。
 
審査の間も、審査当局から企業へ色々な「照会事項」などがあり、それらに企業が迅速に回答するかなどで期間は変わってきます。
よく、製薬企業側はいつ頃の見込みという触れ込みをするのですが、治療薬を待つ患者さんにとってはそれがズレることで落胆される方も少なくないので見込みをあたかもその時期と言わんばかりに発表せんといて欲しいなぁと思うのですが、それは企業側の戦略もあるのでしょうし仕方がないですね。
「最善を期待しながらも、思う通りにいかなかった時のためにいろんな状況を考えて準備しておきましょう」とお問い合わせには答えさせていただいております。
 
BRCA遺伝子の変異を調べるということは、ご自身だけではなく、親や子だけではなく「血縁者」にとっても影響する問題です。
日本には現状ではみなさんを偏見や差別から守る法が整備されていません。
また遺伝子カウンセラーも少なく、説明と同意取得を誰がするのかといった整備も必要となってきます。
 
例えば、患者さんがブログに「オラパリブの投与をしています」と書いただけで「遺伝子変異がある」ことが知られてしまいます。
遺伝する可能性は50%ですから必ず遺伝するというわけではないのに、お子さんが就職先で「遺伝性でがんになる可能性が高い」として不当に扱われたり、嫁ぎ先で差別を受けたり辛い思いをされることがないように患者さんの発信にも注意が必要になってきます。
(海外の研究の結果では遺伝子変異がない卵巣がんでも有用であったようなお知らせもあるのでいずれは日本でも変異のない患者さんにも適応が拡大されるかもしれませんが、現状ではということです)
参考:https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2017/2017082201.html 

遺伝子変異を知ることの利益と、知ることの不利益をしっかりと医師やカウンセラーに確認する必要があるお薬です。
そういったことを今のうちに、少しずつ家族と一緒に考えていく時間にしませんか?

【コラム】臍帯血販売業者逮捕への報道を受けて

いつもスマイリーの活動を応援してくださりありがとうございます。
代表の片木です。
 
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今朝、読売新聞、産経新聞などに「臍帯血販売業者逮捕へ」などという報道が掲載されました。
(参考:読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170824-OYT1T50180.html?from=tw
 
この臍帯血販売に関しては厚生労働省が2017年5月から6月にかけて再生医療を無届けで行なっているとして臍帯血を用いた治療を停止するように求めていました。
(参考:NHK)
http://www.nhk.or.jp/nc11-news/digest/20170628/index.html
 
先日もおはよう日本で特集されブローカーの方などもインタビューに答えていますので参考になるのではないでしょうか。
(参考:NHK)
http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/08/0810.html
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_0816.html
  
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再生医療に関連する法案はいくつかあるのですが、
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」
が、今回の肝となってきます。
 
これらの法律で
再生医療を行う際には届出をするよう義務付けられているにも関わらずにその手続きを行なっていなかったということなどが問題となっています。
 
今回の臍帯血の問題については「患者さんの安全性」に繋がる大きな問題が絡んでいますので、相変わらずの長文ですが少しでも読んでいただけると嬉しいです。
 
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みなさんが病気になったときに治療に用いている「お薬」は、薬機法のなかで「有効性と安全性を確保するための厳格な管理」が義務付けられています。
再生医療製品にも同様に以下に抜粋したような記述があります。
第六章 再生医療等製品の製造販売業及び製造業
(製造販売業の許可)
第二十三条の二十  再生医療等製品は、厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ、業として、製造販売をしてはならない。 
2  前項の許可は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。 
(許可の基準)
第二十三条の二十一  次の各号のいずれかに該当するときは、前条第一項の許可を与えないことができる。 
一  申請に係る再生医療等製品の品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき。 
二  申請に係る再生医療等製品の製造販売後安全管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき。 
三  申請者が、第五条第三号イからヘまでのいずれかに該当するとき。

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またお薬の製造・流通・販売に関しては厳格な基準が設けられています。
GMP(Good Manufacturing Practice):製造管理・品質管理の基準
GQP(Good Quality Practice):品質管理の基準
GVP(Good Vigilance Practice):製造販売後の安全管理の基準
GPSP(Good Post-marketing Study Practice):製造販売後の調査試験の実施の基準
 
イメージしやすく話をすると、
例えばお薬を作るときに、お薬の1つ1つに成分のムラがあったらどうでしょう?
患者さんには効果が出なかったり、逆に効果は出ても強い副作用が出たりしてしまうかもしれません。
それでは困りますので、たくさんの薬を作っても同じものが作れるかチェックします。
 
この人が工場のラインに関わっているといい状態の薬ができるとか、この人が工場のラインに関わっているとよくないものができるなんていう人為的に品質が変わらないように、誰が関わっても安全な同じ薬ができるようチェックされます。

お薬を保管したり配達するときにいい加減な扱いをされてカビが生えてしまったらどうしましょう。
そうならないために温度や湿度、光が当たるなどの影響で品質が損なわれないよう、品質が保たれる日数や管理方法を定めたり、もちろん工場や倉庫での保管の間、出荷準備する間、配送の間などでも薬が安定した状態で届けられるようにされているかのチェックもされています。

以前、卵巣がんのある抗がん剤を作る工場が、アメリカからイタリアに変わったことがるのですが、そういった場合も、お薬を作る環境の衛生面なども含め徹底したチェックが行われ、日本からも医薬品医療機器総合機構の職員さんが現地に行き、衛生的に安全にきちんと薬が作られ日本まで届けられる状況が保たれているか確認をし許可がおりるなどの手続きが必要と説明を受けました。
薬を安心して飲める背景にはこういった法律や規制、基準があります。
 
**********
 
今回の「臍帯血」について、法で定められた手続きをしなかったという問題は、上記に示したような患者さんに安定した、品質が保証された、お薬を届けるという手続きをすっ飛ばしたということです。
 
つまり許可もされていない工場で衛生面がどれだけ担保されているのか、臍帯血が配達されるまでに本当にちゃんと温度や湿度を保ってたのか。
それらが確認できないものが投与されることがどんな怖いことかは理解できると思います。
下手をすれば健康被害も生じかねません。
 
この問題をお話しすると「届出をしなかったというだけでしょ?」みたいな「ただ書類提出を忘れていただけじゃないか」みたいな反応が返ってきたりすることがあるのですが、届出をしなかったことで患者さんの安全に繋がる色々な品質の面でわからないことが生まれるのです。
それこそ「本当に臍帯血を投与していたの?」なんて話にもなりかねないのです。
藁をもすがりたい患者さんに、そのような問題がある治療を提供し何百万円も取っていたということなのです。
ちなみに下部リンクは偽造医薬品を作っている工場の写真ですがこんな環境の悪いところで作られているかもわからないということなんです。
https://www.import-viagra.net/risk/risk03.html
 
今回は
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」
の二つの法律を基に取り締まれるものでありますが、いわゆるインチキクリニックと呼ばれるものの一部が取り締まれただけで、この国には、科学的根拠が明らかにされていない治療をあたかも有効であるように印象付け高額なお金を請求し治療をしている医療機関がいくつもあります。
中には先進医療で結果を出せずに先進医療を続けられなかった治療を自由診療などとして大学病院等が行なっている事例も見受けられます。
これらについても最近広告規制が強められたりもしてきていますが、海外で導入されているように未承認の治療については規制当局に届けた上で臨床試験で行うなどといった規制も必要になってくるのではないかと思います。
 
それまでは、様々な問題とおもわれる事例を発見し、規制当局などに連絡をして現状を伝えていくという地道な作業を繰り返していくしかないのだと思いますし、みなさんにもできるだけわかりやすくお伝えすることも引き続き続けて行きたいと思います。

2017年8月22日火曜日

【コラム】患者さんと接している上で気をつけること

患者さんと接している上で気をつけていること。
「自分の考えが(すべて)正しいと思わないこと」
「自分はいい支援ができている(支援ができた)、自分は寄り添えている(寄り添えた)と思わないこと」
 
患者さんや家族が困っているとついついこちらとしては解決策を提案したくなる。
提案すると「ありがとう」といわれる。
果たしてこれは正しいのだろうか。
 
実際、患者会にかかってきた電話でうけるお話のうち、辛いのであれば、困っているのであればとして具体的提案をこちらがしても行動を起こさない人がいる。
なんでだろうなって思ったので、ある日ご本人に聞いてみた。
すると「私は解決策を聞きたいんじゃないのよ。」といわれた。
要は「そんな不安の中でがんばってる自分の思いを聞いて欲しい(がんばってると認めて欲しい)」のだということがわかった。
「私は片木さんにどうしたらいいですかとは言ってない」確かにそうだ。
ただこっちが、そんなに困ってるのであれば解決するのが最善なんだと思っただけで解決策を提案したかっただけなのだ。
でも思い起こせば旦那や彼氏のことをボロカスいってても「そこを加えても実は好き」とか、中には悪口言ってるようでノロケている高度な技術が用いられている場合もあるし、いろんな背景や理由で現状を変える気がない人がいっぱいいるわけで、こっちの意見は求めてない話なんてゴマンとある。
 
逆に解決策の提案を求められたとする。
きっと「なんとかしたい」とこれまでの経験やエビデンスなどから全力で最善策を出したくなるのが人間のサガである。
しかし患者さんやご家族が見せている姿は「ほんの1部分」であることから提案したことが(こちらが良かれと思った解決策が)、選好とか価値観と違うことなんてザラであることを忘れちゃいけないと思っている。
あくまでもこちらの提案はエビデンスや価値観と経験則からのものをアウトプットした「自分が良かれと思う提案」なのだ。
それが、相談者にとって100点とは限らない。
でも多くの人は自分の話を聞き必死で考えてくれた答えだろうから「ありがとう」とは言ってくださるが、それが「満足されている」「いい対応をしてもらったと評価されている」わけではない。
 
すべての事案でできないが、頻繁に相談くださる方やイベント等でお会いできる方などは「その後」の追跡もできるし、ブログなど書いてる人がいたらそれをみたらどう行動に繋がったかわかることもあるので、コッソリと自身の判断や対応が適切だったか答え合わせをしている。
「ここは余計なお世話だったんだな」とか気づくことでこちらの改善に繋がることはたくさんある。
  
答え合わせをしてるといかに自分が自分本位かわかるし、自分が寄り添ったなんて思うことが自己満足であるものかとわかる。
(ちなみに自己満足も自己承認欲求も誰もが持ち得るものであるので否定しない)
目の前で「片木さんに話せてよかった」といっていた人がブログで全く違うことを書いている場合にだって遭遇することもある(まさか読んでるなんて思ってないだろうし、どう受け取ろと受け取る側の自由であり本音だと思う)。
寄り添ってもらったとか支援してもらったって感じるのは自分ではない。
患者さんやご家族がそう思うかどうかなのだ。
 
だから日々患者さんやご家族に教えられており、トライ&エラーを繰り返しているが、原則として倫理性や(医療従事者じゃないので)医療介入しないなど基本的なルールの大切さも痛感する。
そして何よりも「その人と向き合う」ってことを大切にすることかな。
その向き合う精度をブラッシュアップしていくことにつなげていきたいと思う。
 
まだまだ自分には至らないことがいっぱいであることを痛感し、傲慢にならんよう自分に言い聞かせ頑張ります。

2017年8月19日土曜日

【コラム】臨床試験の被験者候補になった患者さんから質問をいただきました

いつもスマイリーのホームページに足を運びいただきありがとうございます。片木です。
 
昨日、患者にとって最善の医療とはというコラムをアップしたところ別のがんの患者さんから質問をいただきました。

【質問1】
「臨床試験を受けませんかと医師から提案されたのですが、入院ではなく通院で受けたいなど希望を伝えることはできますか?」
【質問2】
「臨床試験のうち1つは標準治療の群ですが、標準治療の群になったら損はないのでしょうか」
 
私は医療従事者ではないので、言葉足らずの部分やうまく説明できていない部分も多いのですが、申し訳ありません。
以下、その患者さんに返答した内容を転載します。
  
返答をしたら「これは公開してもいいのでは」とご提案をいただいので、個人が特定される部分(がんの種類や年齢、お住まい、病院)を省いて掲載します。
なお質問は男性からいただいたのですが、女性のイラストのスライドで申し訳ありません。
またいろんな医学部、看護学部、薬学部などの講義で使ったスライドの持ち寄りなのでフォントが違って気持ち悪いのもお許しください。
 
(スライドの無断引用や転載はご遠慮ください。)
 
***********
 
臨床試験参加を伝えられる時、患者さんにはバッドニュースを受けるタイミングが多いです。
初回化学療法の臨床試験なら「がんと告知されて間がない時期」ですし、再発時など新たな治療が始まるタイミングが多いです。



今回ご相談をいただいたのもやはり再発時ということでその事実とこれからの不安など色々頭がいっぱいなのに臨床試験を提案されて驚かれたことと思います。
 
先に、【質問2】についての私のアドバイスになります。
生物医学・医療倫理の4原則にあるように、患者さんに、危害を与えてはいけません。



例えば、患者さんに手術をするときにメスを入れて痛い思いをさせますが、手術をすることで「結果、患者さんの体調の改善につながる(ことが期待される)」から手術をすることができるのです。
手術をすることで患者さんに悪い結果になるのがわかっているのであれば手術をしてはいけません。
 
もちろん、臨床試験にも、様々な原則があります。



これまでの基礎研究や、1相試験、2相試験、海外の類似の研究等から「この治療になんらかの期待ができる」という仮説があること(医師の思いつきじゃないことw)や、2群比較をする場合には「どっちの治療がいいかわからないから試験をする」ことなどが求められています。
 
がん患者さんに協力していただく上で、その患者さんが従来受ける「標準的な治療」があります。
それよりも「悪い結果になる」ような臨床試験を組んではいけません。「悪い結果になる」とわかっているのにやったら、効果が低い方に入った患者さんにとって不利益な危害を与えているのと同じですから。
 
従来の(本来受けるべき)標準治療は、これまでの様々な研究や、先生方の使ってきた経験から有効性や安全性がそれなりにわかっている治療です。





比較する治療は、色々な背景から良さそうだということは想像されるけれども本当の意味での有効性や安全性がまだわからない部分があるものです。
 
まとめると、従来の標準治療の群に入ると「臨床試験に入らなくても同じ治療」で損はないですし、新規治療の群に入るとなっても「従来の標準治療に比べて同等程度の期待がされる」治療になっているので、もちろん、副作用や効果は受けてみないとわからないのですが「標準治療に比べて損をすることが明らか」ではないです。
ただこれまでの研究などで予想される副作用などもあると思うので医師やCRCに、損はないのかということをしっかり質問をして説明を受けて「理解の上で同意」してください。
 
【質問1】についてですが、臨床試験に参加する前に、きちんと医師や、ときにはCRCからインフォームドコンセントを受けてください。
 
きちんと、なんのために試験が行われるのか、予想される効果や副作用なども聞いてください。
その上で、わからないことはしっかり質問をしてください。


ご質問の、「入院ではなく通院で」につきましては、プロトコルや患者同意説明書を読んでないので細かい試験の概要がわからないのですが、●●さんが通院でとご希望されるのであれば、そのご希望される意思と理由をお話になってください。
 
臨床試験は研究であることから、患者さんの希望を叶えることができない場合もあります。
例えば比較試験なのに「私は新規治療の群に入りたい!」といわれても「思い込みの効果などを避けるため」などを理由に叶えられないことは理解いただけると思います。
(過去にある先進医療でそれをしたために、正しく研究が評価されず、患者さんに未だにその治療が届いていないなんてこともあります。)
 
なので、どうしても入院が必要な試験である場合は、入院でしか受けられないと言われるでしょう。
でもそのときに「試験に参加する」「参加しない」は●●さんが自発的にどうしたいかも含めて考えられた結果でいいと思います。
臨床試験に参加しなくても本来受けるべきはずだった標準治療が受けられますので損はありません。
(まぁ数年後に試験の結果がわかれば、新規治療が良かったとわかる場合もありますが今時点ではわからないですし、新規治療が有意差を出せなかった試験もあります。)
 
臨床試験にはきちんとした指針が定められており、被験者(候補)には十分な説明をした上で理解をしてもらって、自発的な同意をもらう必要性が書かれています。


 
だから医師やCRCは●●さんに対して、わかるように説明をすること、質問に答えてもらい、その上で●●さんが十分な理解をした上で同意をしてください。(写真7)
 
そのときによければ、臨床試験に参加するとなるとご家族も不安でしょうから、お時間が許すなら会話に参加してもらうとか、●●さんからもお気持ちも含めて話をして少しでも不安を減らしてもらえれば嬉しいなと思います。(ご家族と話すことで自分が理解できてないなってことや、ここが不安だったと改めて気づくこともありますし)
 
また、今すぐに決めなくても大丈夫なケースも多いです。少し考えたり家族と相談する時間が必要な場合も率直に申し出てくださいね。

2017年8月18日金曜日

【コラム】患者にとって最善の医療とは

さて、いつもサボり気味のコラムですみません。
スマイリーの片木です。
みなさん夏休みは取られましたか?
私は今週夏休みのはずだったのですが、結局ホームページにお知らせをあげることを忘れてしまい、毎日仕事をしていました。
来週は結構パンパンに予定が入ってしまったので、もう諦めます;;
それでもコラム書く時間ができたのでよかった。
(あと趣味のゲームもちょっとだけいつもより遊べた)

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標準治療という言葉が患者さんにとって「最善の医療をしてもらっているように思わない」というお話がかねてからあります。
 
標準治療とは質の高いランダム比較化試験が多くあり、例えば卵巣がんの患者さんに「より有効で」「より副作用の少ない」と科学的に証明された治療がエビデンスレベル(科学的根拠)が高いとして標準治療になっています。
 
でもやっぱり、患者さんからすると「それは”多くの人にとって”であり、自分にとってどうなのか」が理解できず、患者会にお問い合わせをいただくことが多いです。
 
そういったときに、私は患者さんやご家族に「合意形成」の大切さを伝えています。
 
例えば、主治医の先生から
「手術で摘出したものを病理に出した結果、卵巣がんとなりました。病期は3b期です。この場合の標準治療はタキソールとカルボプラチンという抗がん剤をそれぞれ3週ごとに6クール投与する方法です。」
と説明を受けたとしましょう。
 
患者さんとしては「それが私にとってどうして最善なのか」わからないのです。
 
かといって、先日もある医師に言われました。
「片木さんはよく、話し合え、話し合えっていうけれど一日外来患者さん何人くると思う?」と。
本当にその通りで、先生方が一人一人に割ける時間は限られています。
 
私は、ガイドラインは大切な一つのデータだと思っていますが、「ガイドラインに乗ってるからこの治療をすすめる」というのはちょっと反発を感じてしまいます。
卵巣がん治療ガイドラインは2004年、2007年、2010年、2015年と改定され続けています。
つまり、ガイドラインが出た後でも新たな知見が生まれる場合もあるからです。
(僕はこっちの方がいいと思うよ的な思い込みじゃなくちゃんとした研究結果が出るという意味です) 
 
患者さんも「科学的根拠があり、標準治療なんだからこの治療」といわれても、患者さんにも色々な背景もあるでしょう。
例えば仕事を持っていたり、子育て中であったり。
高血圧とか心配だったり。
だから、患者さんにも家族にも「自らがプレイヤーになり治療の方針に参加しましょう」とお話ししています。
医師はエスパーではありませんから「伝えないのに、察しろは無理です」と話しています。
 
医師は、もちろん、科学的根拠(これまでの臨床試験の積み重ねでわかって来たこと)と、医師の経験から患者さんにとって良いと思われる治療方針をお話されると思います。
患者さんはそれを聞いて、わからないことは「わからない」と質問をしましょう。
そして自分の生活で優先したいことをお話ししてみましょうと伝えています。
 
例えば、この間もあったのですが、主治医がドーズデンスTC療法を提案したのですが、患者さん自身、その病院までの電車が数時間に1本しかなく距離も100キロ近いため毎週の通院はちょっと・・・と思われたそうです。
でも患者さん自身はまさか他の治療オプションがあるとも思わないわけで、医師に勧めるといわれるとどうしたらいいかわからないというご相談をいただきました。
私は患者さんに「距離が遠いから通院の負担が大きいことをお話ししてみませんか」といいました。
患者さんが伝えたところ、主治医の先生が「それは大変ですね」とした上で、3週ごとの治療を提案され、患者さんも安心したということがありました。
もちろん、そのことでのデメリットもメリットもお話しされたとのことです。
 
また卵巣がんはプラチナ抵抗性で再発した際にはいくつかの抗がん剤の単剤治療があるわけですが、その時も、「入院は極力避けたい」とか「仕事ができるものがいい」とか生活をしていく上での希望は伝えられていいと思います。
また、前回の治療では吐き気が辛かったのでとか、骨髄抑制がきつかったとかも話してください。
(たくさんの患者さんをみているので先生も確認しないとうっかり忘れてるということもあるかもしれません。)
  
つまり、医師の経験、科学的根拠、患者の気持ちから「目の前の患者さんにとってどういう治療が最善か」合意をしてほしいなとお話ししています。

そうすることで、医師は患者さんの気持ちも聞いた上で選んだ治療であることで自信も持てると思いますし、患者さんも「統計」ではなく「自分のため」に話し合って決めた治療だからと満足感が少しは生まれるのではないかと思います。
 
もちろん、副作用なんて教科書通りに出なかったり、効果も・・・な時はあるかもしれませんが、「自分の命がかかっていることなので、黙っているは辞めましょう」とお話ししています。
 
実はこれ、シェアードディジションメイキングって方法らしくきちんとステップもあります。

大切なのは、合意をした上でどうだったかを最後に医療者は評価することで、また次に繋げていくことなんだと思います。
 
あと合意というのは、患者さんが「インチキ医療をやりたい」といったときに「はいどうぞ」というのではないということだけは合わせて伝えたいと思います。
患者さんやご家族は医師と考えが違っている場合は、どうしてそう考えるのか、どうして提案している治療が最善と思うのか、医師に確認をして説明にしっかり耳を傾けてください。
 
なお、スライドは無断引用等はご遠慮ください。
記事の丸ごとシェアはご自由に。
 
標準治療という言葉云々じゃなく、標準治療がある上で目の前の患者さんにとって最善の診療を考えていくことが大切かなと個人的に思います。

先生に思いを伝えてもいいのだろうかと悩んでいる患者さんやご家族の背中を少しでも押せたら幸いです。